物語開始前の背景説明。工場は物語上の架空企業です。オープニング · 第1話の前序章 地下水の上に残された苗畑と水田
谷戸の森、旧共同苗畑、手入れが止まった田畑、とくに放置水田を含むこの小流域は、大切な水源涵養地です。かつては畦畔と水路を手入れし、季節に合わせて水を入れたり抜いたりしながら、雨を一時受け止め、その一部を土へ渡していました。土読みのギルドは、土の硬さ、取水と排水、水位を調べ、荒廃水田を丁寧に戻すことで、地域の保水、地下水、生きもの、仕事をもう一度つなげられるか確かめます。
依頼者は、同じ地下水を利用する下流の架空の半導体工場です。工場は共有する水を育む側にも責任を持つため、荒廃水田の回復、観測機器、地域の維持管理、公開対話へ資金を出します。土地の決定権は住民と権利者に残し、工場が受け取るのは約束された水量ではなく、水位、浸透、下流へ水が出る時間を一緒に確かめられる記録です。
現代版の里山を、仕事と循環からつくる。この地域が目指すのは、環境再生型バイオエコノミーによる現代版の里山です。地域性苗木を育て、剪定枝や落ち葉を安全に次の仕事や土へ渡し、放置水田の畦畔と水路を直して、季節に合わせた水張りを試します。水位と生きものを測る仕事も地域に残します。生物資源を多く売ることだけを豊かさとせず、涵養する水、湿地の命、続けられる管理、地域の所得を同じ計画で育てます。
ギルドは、変える前の記録と何も変えない場所(変えない区画)を残し、小さく戻す放置水田と比べます。水位、土へしみ込む速さ、雨から下流へ水が出るまでの時間、土壌水分、生きもの、管理時間を、季節湛水の前後と豪雨後に測り直します。この土地で確認できた範囲だけを次の設計へ渡します。ひとつの工程が終わった時だけ、本編が一話進みます。
- 01谷戸の森と親木を守る
- 02放置水田の畦畔と水路を丁寧に戻す
- 03季節湛水を変える前と比較して試す
- 04水位・浸透・下流へ出る時間を測る
- 05下流の水利用、生きもの、地域仕事、合意を結ぶ